今回もかなり遅くなってしまいましたが、「モノクロ・パラダイス 2020」の展示レポートです。
2020年初めての写真展。NADARさんの公募展は結構参加しておりますが、この「モノクロ・パラダイス」ははじめての参加となります。
告知の記事にも書いたのですが、モノクロって、自分にとっては、敷居が高いと感じていました。いや、展示が終わってもそう感じておりますが・・・。
10年くらい前、フィルムを使っていたときに、少しモノクロで撮ってはいましたが、現像&プリントはお店に出していました。
そのときは、「モノクロは自分で現像して、プリントしないとおもしろくないだろう」って言われてまして・・・。まぁ、そのときは、ベテランの説教かよ、と思っていたのですが、写真展とかでモノクロのオリジナル・プリントを観ると、「やっぱり、そうだよなぁ。色の情報がない代わりに、作家自身が焼かないと、ちゃんと意図がプリントで表現できなんだろうなぁ」と理解して、しだいに、モノクロから遠ざかっていました。
デジタルでモノクロ化しても、まぁ、作品として展示することは(ほぼ)なかったのです。
そして、満を期して、「モノクロ・パラダイス」への参加です。
なぜ?と言われても、自分でもその理由は答えられません。まぁ、NADARさん恒例公募展で出していなかったことと、なんかチャレンジしてみたくなっちゃんですよ。デジタルのカラー・プリントに関しては、割と自信があるので、今度はモノクロでやってみよう、と。
セレクトにあたっては、”モノクロが生えるもの”として、”テクスチャー・質感”か”階調”のどちらを重視するのか?を考えました。
その結果、”階調”を取り、こんな写真を出しました。水族館で撮ったクラゲの写真です。見ればわかると思いますがw
水槽の中を照らす光によるグラデーション、クラゲの透明感と触手のゆらぎ。モノクロだと、それらが強調されていい雰囲気に仕上げられるのではないか?と思ったのです。
しかし、プリントしてみると難しいですねぇ・・・。特に階調。モニタで見るよりも水槽の階調を出せなかったなぁ・・・。階調を出せるようなデータを作ってみたものの、こんどは、触手のシャープさがなくなってしまって、と。そのシャープさがないと、見たときの気持ち良さやゆらぎの雰囲気が出ないんですよねぇ。
そんなわけで、今回は、水槽の階調よりも触手のシャープさを優先させてました。まぁ、この方が締まって見えるし、クラゲ本体の透明感はそれなりに出せたので、良かったかな、と。
他の出展者の皆さんは、フィルムで撮って、自家現像&手焼きって方が多いので、「デジタルのモノクロ」は邪道なのでは?と危惧しておりましたが、そんなことはなく、頂いた感想カードを読んでみると好意的に捉えていただけたようでほっとしております。
それにしてもモノクロは難しい。カラーでプリントするよりも取捨選択がシビアですね。でも、こうして、展示を前提にプリントしてみると改めて気づくことも多いし、いろいろフィードバックも多いですね。2020年はもう少しモノクロに力を入れてみますか?
【展示データ】
「モノクロ・パラダイス 2020」
・会場:NADAR
・期間:2020/1/10(水)~19(日)
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